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2006 6.17 |
コアジサシ（Little Tern：小鯵刺） |  |
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| コアジサシ（Little Tern：小鯵刺）です。ここは韓国ソウルの西、仁川にある広大な潟です。いま干拓されて団地や商工業地になろうとしています。写真の奥の茶色い部分は水をせき止めるための鉄板の壁です。手前は干上がりつつある潟です。数日前までは水がありアジサシ類やカモメ類の絶好の猟場（生息地）でした。 皆さんはコアジサシのダイビングをご覧になったことがあると思います。空中でホバリングしながら獲物を見定めてほぼ垂直に水中に勢いよくダイビングして魚を捕まえます。そのようにして鯵を突き刺すようにつかまえるからアジサシという名前が付けられています。数日前まではダイビングして魚を捕っていましたが、水がなくなってダイビングすることができません。従って獲物がとれません。そもそも獲物がなくなっています。 ここには数千羽のアジサシ類やカモメ類が生息していましたが、まもなく死滅してしまうそうです。今回ガイドをお願いしたニールさんは自然保護活動を強力に推進している方で、野鳥の生活環境として重要なこの潟の保全運動を精力的に進めてきました。しかし、その甲斐もなく潟が消えつつあることを深く嘆いていました。 アジサシが急降下しながら水面ならぬ地面近くで飛び込むことができずに水平飛行に移ってしまい、また場所を変えて同じことを繰り返しています。獲物を捕ることができない、ダイビングができないアジサシが淋しそうでした。 ニールさんは涙ながらにこの鳥達の最後の姿を写真に撮って、自然保護に関心が薄い韓国の状況を少しでも訴えて欲しいと話していました。おそらく数日後には数千羽の鳥達が死んでしまうだろうとのことです。その話を聞いてからはシャッターを押す指がとても重くなりました。この写真は憐れなコアジサシ達への鎮魂歌です。 |
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