捜索者 (The Searchers:1956年公開) はジョン・フォード監督とジョン・ウエイン主演の西部劇ですが、ジョン・フォードもジョン・ウエインもともに新境地に挑戦した作品でした。ジョン・フォードはカラーでワイドスクリーンに挑戦し、雄大な大自然の魅力をパノラマ的に切り取ったり、暗い室内や白い雪をカラーならではの深い色合いで見せたりしました。ワイドスクリーンならではの人物配置なども魅力的な演出でした。ストーリーも単純な勧善懲悪的な西部劇ではなく、複雑で悲劇的なテーマを扱い、それ以後の西部劇の流れに大きな影響を与えました。ジョン・ウエインは明るいヒーロー役から脱して、復讐に燃える残忍で冷徹な役を演じて、演技者として数段アップしたといわれています。本人もこの映画のイーサン役がとても気に入って、息子にイーサンという名前をつけたほどでした。画像は家族や親族を襲い、幼い娘を誘拐したコマンチ族を追跡しているシーンです。ノース・ウィンド(North Window)と呼ばれている景観ポイント付近で撮影されました。 |